2012年1月16日月曜日
1月21日(土) 農の安全・倫理シンポジウム/京都大学 ~農産物の放射能汚染を考える~
次の土曜日、京都大学農学部で、次のようなシンポジウムが開催されます。食品や農産物の放射能汚染に関心をお持ちのみなさんは、お出かけになってみてはいかがでしょうか。最近、耳にするようになった「リスクコミュニケーション」という点についても、考えるきっかけになると思います。
一般に、人は、最初に抱いた仮説を維持しようとする認知バイアス(「仮説確証バイアス」)があるといわれており、最初に信じた見解から、容易に抜け出せない傾向があります。これは、専門家・非専門家を問わず、誰しもがもっている心理学的な傾向です。
このシンポジウムで語られることの内容の適否は、私にもわかりませんが、さまざまな立場の人の多様な意見に触れることで、現在進行中の放射能汚染の実像を、立体的に把握する努力を惜しまないことが大切だと、信ずるところです。(滝澤)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2011/110121_1.htm
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第9回 食と農の安全・倫理シンポジウム「顔の見える関係のなかの放射性物質汚染-農産物産消提携の対応から-」
2011年3月11日に発生した東日本大震災によって引き起こされた東京電力福島第一原発事故は、放射性物質を広範囲にわたって拡散させ、大きな社会的影響を与えています。農産物の安全性やその生育・栽培環境の汚染も、生産者と消費者に深刻な問題を投げかけています。
科学的見地からみた汚染への対応は、農地や資材の除染とともに、農産物を検査し、基準値を下回っているかどうかを確認して出荷することであり、いかに適切に検査対象を定めるかが重要になります。しかし、その検査システムが一般の消費者にとって「見えにくい」場合は、放射能の未知性と相まって、不安がふくらみます。安全性についての情報は「見えやすさ」に支えられねばなりません。
本シンポジウムでは、「見えやすさ」を確保するひとつの形態として、生産者と消費者が提携して顔の見える関係を築いてきた事例を取り上げ、農産物のやりとりを中心にして、人の関係にまで広がった農産物取引が、放射性物質汚染によってどのような影響を受け、それにどのように対応したのかについて検討します。さらに、人でつながる農産物取引の可能性について議論し、ポスト原発事故社会における農産物生産・消費のあり方について考えたいと思います。
お誘い合わせの上、多数の皆さまのご参加をお待ちしています。
日時
2012年1月21日(土曜日) 13時30分~16時30分
会場
京都大学農学部総合館 西側1階 W100教室
(所在地:京都市左京区北白川追分町 京都大学北部構内)
(http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_n.htm)
プログラム
1. シンポジウム解題
京都大学大学院農学研究科准教授 秋津元輝
2. 講演
第1報告 東電福島第一原発事故後の農業-それでも種を播いた福島の生産者たち 茨城大学農学部教授 中島紀一
第2報告 生活クラブ生協の放射性物質汚染への対応-組合員の安全性と生産者との提携関係 生活クラブ連合会企画部自主管理推進・環境課長 山本義美
第3報告 提携消費者の立場から-放射性物質をめぐる消費者グループの取り組み 安全な食べ物をつくって食べる会 事務局 柳井三来子
3. ディスカッション
参加費 無料
事前申し込み 不要
問い合わせ
京都大学大学院農学研究科 生物資源経済学専攻
FAX: 075-753-6191
* 農学原論分野 秋津元輝
TEL: 075-753-6181
E-mail: akitsu*kais.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください)
* 農業組織経営学分野 辻村英之
TEL: 075-753-6188
E-mail: tsunji*kais.kyoto-u.ac.jp (*を@に変えてください)
その他
※「食と農の安全・倫理論」は、本学卒業生・故永井幸喜氏、エスケー食品株式会社、ヤマサ蒲鉾株式会社、ヒガシマル醤油株式会社、株式会社モリタ屋、鹿児島県経済農業協同組合連合会、株式会社ロック・フィールド、株式会社明石菊水からのご寄附によって設立されています。
※本シンポジウムは、科学研究費補助金(基盤S)「食品リスク認知とリスクコミュニケーション、食農倫理とプロフェッションの確立」の共催です。
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