2011年10月20日木曜日

イノシシから放射性物質/NHKニュースから

 すでに、いくつかの場所(宮城、栃木、茨城等)でイノシシの肉から、放射性セシウムが検出された、という報道があったと思いますが、今朝、あらためて、この問題がNHKニュースで取り上げられました。たまたま、火曜日の振津さんの講演会の際にも、この件について、言及したので、ニュースの概要を次にご紹介します。また、福島県のクマ、イノシシの汚染についても、18日に地元紙で報道がありました。これも合わせて、転載します。
 チェルノブイリ原発事故の際にも、原発から1000キロ以上も離れた、ノルウェーやスウェーデン地方で、コケなどの地衣類を食べる野生のトナカイの汚染が深刻でした。それを主食としていたサーミと呼ばれる狩猟民が民族存亡の危機を迎えた、とまで言われました。実際、狩猟民の内部被ばく量は農民の10倍ほどになったと言われています。
 日本でも、とりわけ東北地方は、マタギと呼ばれる狩猟の文化が存在しており、野生のイノシシやクマ、シカ、タヌキ、鳥類などが狩猟の対象となり、食用にされる可能性があることを、忘れてはいけません。この問題も、もっと広範に警告が発せられるべきだと思います。(滝澤)
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イノシシから放射性物質 波紋広がる
(NHKおはよう日本 10月20日午前5時台のニュースより要約)

東北や関東の一部で捕獲されたイノシシから国の暫定基準を超える放射線物質が検出され、波紋が広がっている。東京・神楽坂のイタリア料理店では茨城県産のイノシシの肉を使っていたが今は手に入らないという。レストランの店主は茨城のものを使いたかったが残念だと心境を語った。栃木県の那珂川町の食肉工場では国の基準を下回る肉に扱いを限定した。 那珂川町農林振興課などでは信用にも影響するので使用を控えていると語った。石岡市の住民はイノシシに襲われ、1ヶ月入院する大けがを負った。イノシシ肉の利用が減ればイノシシの数が更に増えるのではないかと心配している。
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クマ、イノシシ5頭から基準値超セシウム検出
 県は17日、野生鳥獣の肉の放射性物質検査結果を発表、有害鳥獣調査の目的で捕獲したイノシシとツ キノワグマ計10頭のうち、イノシシ3頭、ツキノワグマ2頭から国の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された。県に よる公表は今回が初めて。検査したのは、西郷村と南相馬市、棚倉町で捕獲されたイノシシ5頭。ツキノワグマは大玉村、福島市、二本松市、郡山市の5頭。
 イノシシは、南相馬市で捕獲されたものが最大値で2340ベクレルを検出。ツキノワグマは福島、二本松市で捕獲された2頭が640、676ベクレルが検出された。
(2011年10月18日 福島民友ニュース)


1 件のコメント:

  1. 11月9日の毎日には、こんな記事が…。
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    放射性物質:福島のイノシシ肉で基準超 出荷停止に
     
    政府は9日、福島県相馬市や南相馬市など、福島第1原発周辺12市町村で捕獲されたイノシシの肉の出荷停止と摂取制限を県に指示した。野生鳥獣の 出荷停止は全国初。同県のイノシシは大半が自家消費されているが、相馬市のイノシシ肉からは最大で国の暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)の10倍 超にあたる同5720ベクレルの放射性セシウムが検出されたことから規制が必要と判断した。
     政府は、同じく規制値を超える放射性セシウムが検出された同県中部の二本松市や棚倉町などのイノシシのほか、茨城、栃木両県の一部地域のイノシシ やシカの肉の規制も検討している。福島県では、年間約3200頭のイノシシが狩猟や有害鳥獣駆除として捕獲されているという。【佐々木洋】
    毎日新聞 2011年11月9日 20時46分

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