3月11日の大震災から、4か月以上が経過しました。被災者の方々とは比べるべくもありませんが、私たちにとっても、たいへんにめまぐるしい月日でした。
さて、3月11日で忘れてならないことは、この日に内閣官房が、史上初めて、原子力災害対策特別措置法の第15条に基づいて、原子力緊急事態宣言を発したということです。
ここで、この法律の文章をあげつらうことはしませんが、私が疑問を抱き、かつ、怒りを禁じえないのは、宣言された“緊急事態”が“たなざらし”にされている、という点です。
いやしくも、一国の政府が緊急事態を宣言したからには、及ぶ限り速やかに、その事態の収拾、解消を図るのはもちろんのこと、何にもまして周辺住民の健康が、第一に顧みられ、その安全が確保されなければならなかったはずです。
しかし、みなさんも重々ご承知のように、日本の政治はえんえんと漂流を続けています。
私がここで述べたいのは、年間20ミリシーベルトという高い放射線被ばくのレベルを、原子力災害の直接の被害者である福島県民に、いつまでも強制している異常さについてです。
世の中、一寸先は闇、緊急事態宣言が必要な場面があることは認めるにしても、“緊急”とは、一体どれほどの期間続くのか、“緊急事態”とは、いつ、どのようにして解消されるのか。はたまた、福島県の住民は、その緊急事態から救い出される権利があるはずなのに、それとはアベコベに、緊急事態という異常な状態に4か月も縛り付けられているのではないのか。
被災地にはいない私たちは、年間1ミリシーベルトの基準が守られているのに、被災地の住民は、いつまでも年間20ミリシーベルトの基準を強制されている。私は法律の専門家ではありませんが、この状態は、憲法14条、法の下に平等という原則が踏みにじられている、と考えています。(エントロピー学会関西セミナーの講演でも、この点には言及しました)(滝澤)
憲法第14条1項
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
0 件のコメント:
コメントを投稿