2011年7月11日月曜日

セシウム137も 子どもの甲状腺に蓄積

  岩波書店発行の「科学」2011年7月号に、崎山比早子さんが、’放射性セシウム汚染と子どもの被ばく’という記事を寄せています。重要な内容だと思いますので、その一部を抜粋してご紹介します。
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セシウム137の体内分布
   セシウム137が身体のどこに多く蓄積するかを、ベラルーシ・Gomel州で10歳までに死亡した52例の子どもの臓器から調べた結果も報告されている(表)。一般に言われているのとは異なり、子どもの場合、特に甲状腺をはじめとする内分泌腺に高い集積を示している。このように高い放射能から常に照射されていると細胞の障害も少しずつ持続的に起こることが想像され、ホルモンの分泌障害や免疫障害も起きるであろう。高汚染地区の子どもたちに、感染症にかかりやすく病気がち、疲れやすいといった訴えが多いのも、このように多臓器にわたる慢性的被ばくが原因なのかもしれない。

                        表―各種臓器におけるセシウム137の蓄積

   1997年に死亡した子どもと大人の臓器重量あたりのセシウム蓄積量を比較したのが図である。子どものセシウム蓄積量は心筋、甲状腺において大人の約3倍にもなる。他の臓器ではおおよそ2倍だ。



表・図の原出典―Y.I.Bandazbervsky:Swiss Medical Weekly 2003 

 日本語記事の出典は、「科学」 2011年7月号

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