宮城県山元町での出前授業の翌日(5月19日)、仙台から高速バスを利用して、初めて宮城県石巻市を訪ねました。震災から早1年2カ月余り。津波被害が深刻だった地に、なかなか行けなかったことが悔やまれますが、時間がたったとはいえ、現地で事実を目撃することは大切なことなので、私が見聞した、石巻の今の一端を、レポートします。(現在、仙台と石巻を結ぶJR仙石線は一部区間しか復旧しておらず、石巻に入るにはバスなどを利用するしかありません。真野小の校長先生も、常磐線がやられてしまって、南相馬は陸の孤島のようになってしまった、と嘆いておいででした。交通機関の復旧も焦眉の課題であることが、現地を訪ねて、初めて実感できました)
石巻の駅は津波が襲来した場所からやや離れているためか、一見して震災の爪あとのようなものは見受けられませんでした。しかし、商店街のあるメーンストリートを進んでいくと地震による被害が、徐々に目に入って来ます。
石巻は、漫画家の石ノ森章太郎の故郷ということで、石ノ森さんの漫画のキャラクターが、モニュメントとしてここかしこに立っています。(上の写真は戦隊もののさきがけになったゴレンジャーのモニュメント)このキャラクター群は、震災さえなければ、石巻観光の目玉のひとつだったろうなと思いました。当日は、仙台が青葉まつりの日だったこともあってか、人影はまばらでしたが、それでも漫画ファン、石ノ森ファンのような人たちを何人か見かけました。
石ノ森萬画館を目指して歩きつづけると、やがて北上川(旧北上川)沿いの津波被害が深刻だったエリアが目の前に広がってきました。TV等で私たちが見知った、震災後に見られたがれきの散乱といった状況は、さすがに解消していましたが、震災の爪あとは、そこかしこに残っていました。石ノ森萬画館は津波のダメージのため現在は休館中です。割れたガラス窓をふさぐためにあちこちに置かれているべニア板は、初代仮面ライダーの藤岡弘さんをはじめ、多くの石ノ森ファンらによる、被災地への激励の寄せ書きの場所になっていました。
石ノ森萬画館の方から眺めると、旧北上川の対岸に、打ち上げられた船がいくつか見えました。それらを目印に対岸に渡り、さらに海岸部のがれき処分場の近くまで歩きました。震災がれきの今については、石巻を訪ねて(その2)で、詳しくご紹介したいと思います。(滝澤)
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