2012年8月1日水曜日

8月25日(土) 「太陽活動と気候変動」講演会/福島市・シャローム


 昨年の原発事故後の4月下旬に、宮腰吉郎さんのご紹介でお訪ねした、福島市の社会福祉関係のNPO法人シャローム様のお招きで、今月の25日に「太陽活動と気候変動」というタイトルで講演をすることになりました。このような貴重な機会を作って下さったシャロームの大竹ご夫妻はじめ、関係者のみなさまに感謝します。
 紹介文では、放射能汚染の調査や除染で活動したように書かれていますが、竜頭蛇尾で、十分な結果を出すことができず、申し訳なく思っております。
 今回は、被災地支援といった位置付けではありませんが、自分の専門分野に関わるお話で、みなさまのご機嫌を伺いに参りたいと存じます。大人のための理科の出前授業イン福島という感じですが、小中学生にもわかるようにお話するつもりですので、お近くにお住まいのご縁のある方には、足をお運びいただけると幸いです。
猛暑のなか、「寒冷化」の可能性に言及するのも、心苦しいことですが、夏の怪談がわりに、お付き合い下さい。  (滝澤)    (写真は、今年7月に出現した肉眼黒点:肉眼黒点とは、雲間越しなどに、肉眼でも観察できる黒点のことですが、目の健康のために肉眼で太陽を見ることは絶対にやめてください。肉眼黒点を見るには、金環食の際に出回った、「太陽グラス」をお使いになることをお薦めします)

http://www.nposhalom.net/pg392.html

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NPO法人シャローム
第104回教養講座「地元学を考える」

太陽活動と気候変動

<講師>
滝澤 寛 さん(京都大学大学院理学研究科附属天文台)
<日時>
平成24年8月25日(土)13:30~15:00
<場所>
まちなか夢工房 2階 オアシス広場
遠くはなれた太陽の活動の変化が地球へ及ぼす影響とは

 今回は、京都大学大学院理学研究科附属天文台においてご活躍されている滝澤 寛さんをお招きします。滝澤さんは京都大学大学院において太陽活動の研究をされてきましたが、昨年度は、原発事故を経た福島の大地の汚染、そして除染の方法を調査すべく、志を同じくする学者の皆さまと一緒に何度も福島市に足を運ばれました。本講演では、太陽活動と気候変動の関連性について、お話をいただきます。

以下はご本人よりいただいた講演要旨です。

本講演では、太陽活動と気候変動の関連性について、お話をします。太陽表面に黒点がほとんど現れなかった中世のマウンダー極小期(1645~1715)と呼ばれる時代には、少なくともヨーロッパは寒冷化していたことが知られています。近年、2008年から2009年にかけて、太陽表面に黒点がまったく見られない無黒点日が続き、その累計が800日を超える(2005年~2011年)という100年ぶりともいえる異変が太陽で起きています。また、太陽活動には11年の周期が知られていますが、前の活動周期(第23期)では、その周期が、13年近くに伸びたことにも注目が集まりました。これらのことを含めて、太陽研究者は、太陽活動の低下とそれにともなう地球環境への影響(寒冷化の可能性も含めて)について、注目しています。本講演は、2年前にエントロピー学会関西セミナー(同志社大学)で行った「太陽活動と気候変動~太陽無黒点期と地球寒冷化の関連性」の原稿を下敷きに、その後解明された最新の研究成果も含めて、報告します。
 参考文献「日経サイエンス」2012年8月号 「太陽異変」特集

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